なぜアライグマは飼育禁止?国内・海外でのペット事情と飼うと後悔する理由とは?

アライグマ
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この記事を書いた人
オザワ

害虫・害獣駆除マガジン編集長。祖母の空き家整理の際に、家がネズミの巣窟になっていることが発覚!なんとか業者に頼み、駆除することができたものの、社会問題になりつつあると実感。その時の経験をもとに正しい害虫・害獣駆除の知識を広めようと奔走している。

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以前は日本でもペットとして飼育されているアライグマでしたが、近年は野生に帰ったアライグマによる被害が年々増えており、現在は害獣として認定されています。

愛らしい見た目なので、グッズやアニメは高い人気なのですが、周りにアライグマを飼っている人ってほとんどいませんよね?

この記事ではアライグマが日本で繁殖してしまった理由、国内外での飼育事情、ペットとして飼われている動画やSNS、ブログ。そして、アライグマを飼育することの難しさを解説しています。

アライグマはどこから来た?外来種?

アライグマは、もともとは北アメリカの森林や草原地帯だけに生息していた外来種の生き物です。日本では、1977年からスタートしたテレビアニメ「あらいぐまラスカル」の放映をきっかけに、ブームが起こり、ペット用として大量に輸入されました。「あらいぐまラスカル」は、動物好きの少年がアライグマを育てた1年間の友情物語です。「あらいぐまラスカル」は人気が出て、その影響でかわいいアライグマをペットとして飼いたいという人が増えました。

しかし実際には、アライグマは気性が荒い、人に懐かないなどの理由からペットとして飼うのは難しく、飼い主としての義務を放棄して自然に放った人が大勢現れたのです。

その後、日本では天敵がいなく雑食で繁殖能力が高いため、野生のアライグマがいっきに増加しました。現在では、農作物を食い荒らしたり、人の家に住み着いて被害を及ぼしたりする「害獣」として位置づけられています。アライグマはいまだに増え続けており、それに伴い被害の件数も増え続けており、大きな問題のひとつになっております。

アライグマの飼育は日本では禁止されている

2005年にアライグマは「特定外来生物」に指定されました。「特定外来生物」とは、在来の生物を捕食したり、生態系に害を及ぼす可能性がある生物のことです。

実際に野生のアライグマの増加により、田畑の果物や野菜の食害が発生。雑食なので希少なサンショウウオやカエルを食べたり、フクロウやムササビの巣を奪い生態系のバランスを狂わせるような被害を生んでいました。

特定外来生物に指定されると、国と地方自治体で駆除を進めます。また国の許可を受けない輸入、移動、飼育などが禁止されます。1970~1980年代にペットとして飼うことがブームになり、年間約1500頭に及ぶアライグマが輸入されて、1頭5~15万円で販売されていましたが、特定外来生物に指定された2005年以降はペットとして飼うことは法律で禁止されています。

そのため、現在の日本の法律の下では、アライグマの飼育は禁止されています。

海外では国によっては飼育可能

日本では「特定外来生物」に指定され、ペットとして飼うことができないアライグマですが海外ではどうでしょうか?

アメリカやロシア、ヨーロッパの一部の国、韓国、台湾ではペットとして飼うことが可能です。

原産地であるアメリカでは、国民的な動物として昔から愛されて、ペットとして飼う人もいるという側面もあるものの、野生のアライグマは日本と同じく農作物への被害を及ぼし、生態系のバランスを崩すなどという問題を引き起こす動物として扱われ、駆除も進められています。アメリカ以外の国でも、ペットとして飼っている人はいるものの、飼っている人は少数派ではあるようです。

アライグマをペットとして飼っているブログや動画

日本国内では動物園などを除いて、特別な許可なく、アライグマを飼育することができませんが、海外では実際にペットとして飼育されているケースはあります。アライグマと一緒に暮らしている人々について紹介していきます。

ロシアでペットとして飼われているアライグマの動画です。生後2ヶ月から飼い主と暮らしていて、赤ちゃんのころは懐いており、一緒に飼っている猫や犬と遊ぶシーンもあります!

猫と一緒にペットとして飼われているアライグマの動画です。猫と同じような行動やしぐさをすることから、アライグマ自身が自分のことを猫だと思っているのではないかと見える動画です。

ペットとして、飼うことが可能な韓国にある「アライグマカフェ」の様子を紹介した動画です。このカフェにいるアライグマには、「凶暴さ」はなく、人間に懐いているように見えます。

バハマという中コメカリブ海にある国で、生後1か月ほどのアライグマが庭の木から落ちてきたのをきっかけに、家で飼うことになった。ロージー・ケンプさんのインスタグラムには、そのアライグマと、もともと飼っていた犬が仲良く暮らす動画や写真が投稿されています。

アライグマの飼育が可能なポーランドで、犬とアライグマが一緒に飼われている動画や写真がインスタグラムに投稿されています。飼主と犬とアライグマで一緒にドライブしたり、散歩したりする様子は非常に微笑ましいものがあります。

日本の動物園飼育係の方のブログです。ここにはアライグマが見た目のような可愛い動物ではないこと、見た目だけでペットとして飼われ捨てられて繁殖してしまったアライグマのような動物を今後出したくないという切なる想いが書かれています。

動物園飼育係の日記11

アライグマをペットとして飼育する難しさ

現在、日本でのアライグマによる農作物被害額は年間3億円を超えており、今後も増加する傾向にあると言われています。もともとはペットとして飼うためにアメリカより輸入されたアライグマが、2005年には特定外来生物に指定され、現在では「害獣」という生き物として捉えられています。

見た目は可愛いアライグマですが、ペットとして飼うには全く向いていない生き物なのです。2005年以前にペットとしてアライグマを飼っていた方による著書「ぜったいに飼ってはいけないアライグマ」(1999年発行 著者さとう まきこ)には、そのタイトルの通り、アライグマを飼うことの難しさ、アライグマの凶暴さが綴られています。

その本には、ぺットとしてアライグマを飼ったが凶暴で人に懐かない、安易に飼ってしまったことに対する後悔、安易に売りつけたペットショップへの怒りなどが書かれています。この本の著者は苦しいながらも飼っていたアライグマが寿命を迎えるまで責任をもって見守りましたが、当時は安易にペットとして飼ったものの手に負えず、山林などの自然に放棄する人がたくさんいたのです。

そのように放たれたアライグマが繁殖して、現在「害獣」として被害を与えて問題となっているのです。もしアライグマが家に住み着いたり、出没したりした場合にその見た目の可愛さから安易に飼うようなことは絶対にしてはいけません。そもそも法律違反なのですが、飼ってみても、その凶暴さに手に負えなくなることは間違いありません。

もし家に住み着いたり、出没した場合にペットにしようとしてはいけません。その際は、専門業者にお任せして捕獲・駆除してもらうことをおすすめします。専門業者に任せれば、駆除する時の危険もありません。アライグマから感染症をうつされるリスクもありません。再発防止もしてくれて保証もありますので、専門業者にお任せすれば安心です。

コメント

  1. 江戸の ねずみ より:

    結局、人間が悪いのにアライグマが悪者にされてる……人間に危害を与える、危害を与える可能性が有るからと「害獣」と呼んで欲しくない……人間こそ「害獣」って事を考えて欲しいです。

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