ワイドショーなどのテレビ番組でハクビシンの特集がたびたび組まれるようになってきたと思いませんか?実は、山間部や郊外に住み着いていたハクビシンが、東京の都心部に住み着き、私たちの住環境に被害を及ぼしつつあります。
一度もハクビシンを見たことないし、関係ないな〜
と思うかもしれませんが、ハクビシンは確実にあなたの近くに近づいてきており、いつ被害を及ぼすか分かりません。
この記事では、
その理由を解説します。
そして、もし被害にあった場合、どのような対処をすべきか?具体的な方法をご紹介します。
ハクビシンはどこからきたのか?外来種?在来種?
東京だけでなく、日本国内で年々増えているハクビシンはいったいどこから来たのでしょうか?
そもそも、ハクビシンは日本に古くから住んでいた在来種なのか?外国から海を超えてやってきた外来種なのか?様々な諸説なありますが、明確に在来種か外来種なのかは断定はされていません。
しかし、色々な説の中で、私が有力だと思うのが、ハクビシンは台湾から毛皮目的で輸入された外来種という説です。
- 台湾に生息しているハクビシンと日本国内のハクビシンの遺伝子の構造が似ていること
- 古い地層を調査してみると、ハクビシンの出土骨は1940年以前は見られないということ
- 日本が台湾を統治し、外交が活発化していた時期が重なること
他の諸説と比べると科学的にも、時系列的にも説得力があります。
毛皮目的で飼育されたハクビシンが逃げ出し、その強い繁殖力で増えていったのでは無いでしょうか?
参考文献
増田隆一 2011 ハクビシン多様性科学 https://www.jstage.jst.go.jp/article/mammalianscience/51/1/51_1_188/_pdf
東京都内のハクビシンの被害件数
東京都内のハクビシンの被害件数はここ2年は減少しているようですが、10年前と比較すると約2倍、20年前と比較すると、20倍以上の被害件数になっています。
特に特筆すべきがハクビシンの目撃場所です。
畑や山間部、公園など緑に囲まれている場所での目撃を想像しがちですが、(実際筆者もそうでした)実は都内在住の方の24%が住宅地でハクビシンやアライグマを見かけたという結果が出ています。
参考:令和2年度第2回インターネット都政モニターアンケート「野生鳥獣保護管理事業について」調査結果
野良犬の数は10年20年前と比べるとほとんど見なくなりましたが、逆にハクビシンの方が野良犬よりも目撃する機会が増えてしまっているようです。
まとめると、ここ10年の間でハクビシンは東京都内の住宅地で増加傾向にあり、私たち人間の家に住み着き、暮らしや健康の被害を及ぼしているということが分かります。
なぜ東京都内、特に都心で増加しているのか?
東京都と言っても23区と23区外では環境は大きく違います。
多摩地区は自然が溢れ、緑も多く、生き物の住処として適切な環境です。
一方、23区内の都心部はコンクリートと高層ビルで張り巡らされており、緑も少なく、普通に考えれば、生き物にとって住みにくい環境が整っています。
しかし、ハクビシンは23区内の東京都心部で増えています。
それはなぜでしょうか?理由は、3つあります。
ハクビシンと電線の相性
1つ目は電線です。ハクビシンはもともと木の上の木の実を食べて生活をしていました。そのため、高いところでのバランス感覚は優れており、都心に張り巡らせらている電線はハクビシンの格好の移動場所になります。
また、電線の上を上手に移動できるため、車に轢かれたり、ヒトに見つかって捕獲される心配も少なくなります。このように郊外から電線を辿って、都心に来たという説が有力とされています。
普段、上を見上げながら歩くことってあまりありませんよね?もしかしたら、カラスや鳩に混じって、ハクビシンがいるかもしれません。
都心にもハクビシンの住環境が整っている。
都心部はハクビシンにとって格好の住環境が整っています。
ハクビシンの好物は果実ですが、雑食でなんでも食べます。生ゴミは至る所にあるので、ハクビシンにとっての食事場所です。
また、十分な家屋があるため、住処にも困りません。23区内は意外なことに古びた家屋や空き家も増えてきていますし、ハクビシンにとっての良い住処です。
ハクビシンの体の構造
ハクビシンは高さ6センチ×12センチの狭い隙間、例えばスマートフォン程度の大きさの隙間から侵入できる体の構造になっています。
「まさか、こんな小さな隙間から」
と思うかもしれませんが、よく家を見回してみると、床下や屋根には微妙な隙間があったりします。そういう小さなところからハクビシンは侵入してきます。
もしハクビシンの被害にあった時、どうするべきか?
結論から言うと、業者に駆除・捕獲依頼をすることをおすすめします。
ハクビシンは害獣認定されていますが、一方で鳥獣保護法で保護された野生生物です。そのため、行政の許可なく、捕獲することは法律で禁止されています。仮に許可が降りたとしても、ハクビシンの捕獲は怪我や感染症などの危険が伴う大変な作業です。
市販の忌避剤など追い出すことを目的として対策グッズもホームセンターなどで販売されていますが、一時的に追い出せたとしても、ハクビシンが再び戻ってきてしまう再発リスクも非常に高いです。
これらを加味すると、やはり自分でどうにかしようと考えるのではなく、まずはハクビシン駆除業者に依頼・見積もりを行い、速やかに駆除してもらいましょう。
コメント